アナログ・オーディオ信号をデジタル・オーディオ信号に変換する際には、極めて小さい時間ごとに区切ってアナログ信号のサンプルをとり、それぞれをデジタル信号へ変換します。ここで1秒間をいくつに分割して処理しているかを表すのが、サンプリング周波数です。
デジタル・オーディオの信号処理を複数の機器間で精度良く行うためには、この区切り方を同期させる必要があります。そのために送られる信号がワードクロックです。
同期させる際には、機器間に主従関係ができます。スレーブとして使う機器に、複数のデジタル・オーディオ入力端子がある場合は、どこからの入力信号に同期するのかを設定します。
通常、2台の機器同士でデジタル・オーディオ信号をやりとりするには、それぞれの機器をデジタル・オーディオケーブル(オプティカルケーブルやコアキシャルケーブルなど)で接続して、接続する機器の片方をワードクロックマスター、もう片方をワードクロックスレーブと設定します。このとき、ワードクロックは、オーディオ信号と同じ経路で伝達されます。
また、オーディオ信号とは別の経路(ワードクロック端子)で、ワードクロックを配信して、1つのワードクロックで、全機器を同期させる方法もあります。3台以上の機器を同期させる場合などに用います。
<説明図>
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