チェンバロの鍵盤には標準はなく、シャープキー(ピアノの黒鍵)ナチュラルキー(ピアノの白鍵)の色や材質もいろいろです。
黒鍵、白鍵の色が逆転したチェンバロの鍵盤は非常に特徴的で、特にフレンチタイプや後期のフレミッシュ等に多くみられます。当時多かった女性の奏者の白い手が美しく見えるように、とか貴重品で価値の高かった黒檀を多く使うことで楽器の価値を上げた、などいろいろな説があります。一方、イタリアンタイプでは白黒逆転していないものがほとんどです。また、材質や色合いも一台一台非常に個性的です。
今回 C-30 の開発にあたっては、鍵盤の色合いによる音や表現力の違いは無いため、通常のピアノ鍵盤と同じ白黒の配色にしました。
以前のモデル C-50, C-80 では鍵盤の色を反転させていましたが、質感があまり高くなかったので、今回は通常の配色ながら、黒鍵をつや消しにするなど質感をあげました。デザインも今回バージナルタイプをモチーフにした、新しいデザインを採用したこともあり、鍵盤の色も通常のシンプルな配色を採用しました。